無料ブログはココログ

« 2015年8月 | トップページ | 2015年10月 »

2015年9月

2015年9月30日 (水)

かつて人が生活していた証となるヒガンバナ

 ヒガンバナは球根でしか広がらないので、田畑の周辺や人家近くなど、人の手で植えられた場所に生えるらしい。今は人影がなく、ひっそりとした林や草地で見かけることがあるが、これはかつてそこで人が生活していた証なのだという。今、地方ではそういう場所が増えつつある。


ヒガンバナ (ヒガンバナ科ヒガンバナ属)

 中国から古い時代に渡来した帰化植物で、花が咲くときに葉がないので、あの世(彼岸)の花ということで彼岸花と呼ばれる。花は6枚の花びら(花被)と6本の雄しべ、1本の雌しべからなる。近縁の仲間には黄花のショウキズイセンや白花のシロバナマンジュシャゲがある。


 ヒノキ林の中に咲いていた。今は耕作されていない畑が近くにあったので、かつては人の姿もあったのだろう。

S2c3a4524
S2c3a4119
S2c3a4124
 こちらは人家から離れた川沿いに咲いていた。ここにも生活の営みがあったのだろうか?

S2c3a4607_2
S2c3a4599
 下の写真はシロバナマンジュシャゲ。栽培品が逸出して野生化しているようだが、これは栽培されているもの。ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種だといわれている。

S2c3a4505
S2c3a4208


















 

2015年9月28日 (月)

野外に逸出したボタンクサギ

 今年の8、9月はほんとうに変な天候だった。夏の後半は雨の日が多く、残暑もほとんどなく、秋になった。庭の早咲きツバキも例年より一ヶ月ほど早く開花した。「西王母」は今が満開。これから後の天候はどうなるのだろうか?


ボタンクサギ (シソ科クサギ属)

 中国原産で、日本では観賞用に栽培されるが、時に野外に逸出して野生化している。クサギの花に似たピンクの小花が球状にまとまって咲く。


 山間部の道路と谷川の間の草むらに咲いていた。何だろうと近づき、確かめると、クサギの花に似ているが名前はわからず、後日ボタンクサギだとわかった。

S2c3a4535
 下は近づいて撮った写真。球状にはなっていなかったが、花はクサギの花に似ていた。

S2c3a4538
S2c3a4556
 さらに花を拡大してみた。長い花茎の先に、5裂した花冠があり、中央から4本の雄しべとひとつの雌しべが伸びていた。写真の下の方に倒れているのは花茎。

S4550







2015年9月24日 (木)

ツルボの季節が終わりを告げている

 朝夕が涼しいというより寒くなってきた。随分足早に秋が深まりつつあるようだ。それが証拠に、ヒグラシがもの悲しげに鳴き、ツルボやヒガンバナなどの初秋の花が終わりを告げようとしている。


ツルボ (ユリ科ツルボ属)

 陽当たりのよい土手や野原などに生える。葉は根元にあり、草むらの中にあるのであまり目立たず、9月頃、20~40cm程の花茎が伸び立つとその存在に気づかされる。


 ツルボが群生しており、遠くには稲刈りを終えた田が秋の風情を醸し出していた。

S2c3a3863
S2c3a3855
 朝露がおりた草むらにツルボが咲いていた。花弁が6枚に、中央に雄しべ6本と雌しべがある花が細長い穂状にたくさんつく。なお、花は下から咲いていくので、上の方はまだ咲いていない。

S2c3a3848
S2c3a3908
S2c3a3914






2015年9月20日 (日)

これがスミレの閉鎖花だった

 山間部の道路沿いにスミレが生えていた。コンクリートのすき間にたくましく育っている。しかもつぼみらしきものがついていた。秋に咲くスミレってあったかなと思いながら写真を撮ったが、実はこれが閉鎖花だった。開花することなく受精して、果実ができるという不思議な生活の一端を見ることができた。


スミレの閉鎖花

 スミレは開花して結実することは少なく、開花しないまま自家受精して、果実をつくり、種子をつくる。この開花しない花を閉鎖花といい、花後から秋まで見られる。これは確実に種子をつくるためだと言われる。


 下の写真のつぼみのようなものが閉鎖花で、中には雄しべと雌しべがあり、自家受精できるようになっているという。

S2c3a4274
S2c3a4289
 閉鎖花をさらに拡大してみた。中にはもう種子ができているようだ。

S4292
 閉鎖花が熟して、殻が開くと、中にはボール状の種子がたくさん詰まっている。

S2c3a4235
S4286
 下の写真は種子が散布された後の殻。後方にはまだ熟していない閉鎖花が見られる。

S2c3a4256









2015年9月17日 (木)

チャボホトトギスの花があちらこちらに

 峠の目的地では、ツルリンドウの代わりにチャボホトトギスがあちらこちらで花をつけていた。普段は斑点模様がある葉が地面にへばりつき、地味に生育しているが、今の時期は地面に黄色の星が輝いているようで、きれいに存在をアピールしている。ふと、これが業者や愛好家の目に留まり、根こそぎ持ち去られることにならないか心配になった。


チャボホトトギス (ユリ科ホトトギス属)

 茎が立ち上がることはなく、葉は地面にへばりつくように四方に広がり、表面にはホトトギスの胸模様に似た模様がある。花はキバナノホトトギスに似ているので時々間違えられるが、地面近くに1~2個の黄花を咲かせる。やや湿り気のある林縁のなどに自生する。


 あまり他の野草が繁茂しているところは好まないようで、地面がむき出しになっているところに多く見られた。花は割合大きく、径が2~3cmはあったように思う。

S2c3a3992
S2c3a3986
 これからまだまだ咲きそうで、付近にはつぼみがたくさん見られた。これからが開花の最盛期になるのかな?

S2c3a3980
S2c3a3977
 花は一株に1個のものが多いが、下の写真では向こう側に開花間近のつぼみが見られた。

S2c3a3971

2015年9月15日 (火)

2年ぶりにツルリンドウの花を見ることができた!

 2年前に、一瞬だけ見たツルリンドウの花に出会うことが目的で、峠に出かけたが、目的の場所では見つけることができなかった。しかし、ありがたいことに、途中の林縁で出会うことができた。幹線道路沿いなので、下刈りをされるためか、ツルが長く伸び他の植物に巻きついたものはなかったが、淡青色の清楚な花が咲く姿に2年ぶりに感動した。


ツルリンドウ (リンドウ科ツルリンドウ属)

 全国の山地の林内や林縁などに生え、ツルが伸びて広がり、他の植物などにからむツル性の植物。花は2~3cmの淡青色で、花期は8~10月。花後は赤い実をつける。


 私が見たツルリンドウはいずれもやや湿った林縁で多く見られた。このような環境を好むのだろう。

S2c3a4357
S2c3a4372
S2c3a3929
 下の写真はつぼみ。

S4348
 ひとつの株から次の株にツルを伸ばして広がっていく。下の写真で、上から下に縦に伸びているのがツル。

S2c3a4342
 下の写真で、中央から下に伸びるツルをよく見ると、ツル自体がねじれていることがわかる。これは他の植物にからむときの滑り止めの効果でもあるのだろうか。また、花を見ると5本の雄しべと長く伸びた雌しべが見られる。

S4375










     

2015年9月13日 (日)

ミヤマウズラの花を初めて見ました

 峠の目的地へ行く途中で、立ち寄った林縁でミヤマウズラに出会った。花期以外の時期には何度か見たことがあったが、花を見るのは初めて。葉の模様に比べると、花はやや質素な感じ。この感じは秋らしいと言ってもいいのかな?


ミヤマウズラ (ラン科シュスラン属)

 山地の林内や林縁に生育する。葉には白色の格子模様があり、これがウズラの羽の模様に似ることが名前の由来。花は正面に豚の鼻に見える淡茶色の斑が2つあり、上ガク片と側ガク片が帽子のような形を作るのが特徴。花期は8~9月。


 ミヤマウズラはやや湿った林縁の斜面に生育しており、付近にはツルリンドウやセンブリが見られました。これらの野草は似たような環境を好むようです。

S2c3a3953
 花茎は15cm程で、それほど大きくありませんでした。

S2c3a3950
S2c3a3935
 花部分を拡大してみました。ちょうど真ん中の花を見ると、特徴がよくわかります。なお、ガク片や茎には細かな毛が密生しています。

S2c3a3938









2015年9月10日 (木)

歯抜け型分布をする「シソバウリクサ」

 先日、久しぶりに近くの峠(標高500m程)に出かけた。ここは歩かなくても車でかなり奥まで入ることができ、たまに出かけるとなにがしかの収穫があるので私の隠れ家的な場所となっている。案の定、いろいろな植物に出会ったが、中でも特筆すべきは私のブログ初登場となる「シソバウリクサ」に偶然出会ったことであった。


シソバウリクサ (アゼナ科アゼナ属)

 分布が紀伊半島と四国南部、奄美諸島(湯湾岳、井之川岳)に限定される特異な歯抜け型分布をする。森林内や林縁の湿ったところの地上を這って広がり、小さな唇形の白花をつける。なお、和歌山県では準絶滅危惧種となっている。


 どうせ普通の野草だろうと思って、あまり丁寧に撮らなかったが、苦労して名前を調べると本種だった。いつものことだが、後悔先に立たずである。

S2c3a4001
 本体も小さいが、花はさらに小さく(6mm程)、つい普通の野草に見えるので、気づかず通り過ぎてしまうことが多いのではないかと思う。名前を知らなかったことが怪我の功名だった。

S2c3a4004
 葉の形がシソの葉に似ているので、「シソバ」という名がついているが、シソの葉よりうんと小さい(葉の長さは10~15mm程)。

S2c3a4013
 花を拡大してみた。唇形の白花で、同じ仲間は国内に6種あるというが、白い花をつけるのは本種だけだという。

S4013





2015年9月 8日 (火)

花にも秋の気配 (6)ゲンノショウコ

 夏も終わりに近づくと、花で存在に気づくのがゲンノショウコ。かつては薬として重宝されていたらしいが、花も意外と楽しめる。朝露の降りた草むらの中で、白花や赤花が凜として咲いているのを見ると、季節はもう秋かなと思う。


ゲンノショウコ (フウロソウ科フウロソウ属)

 山地の草原や路傍でよく見かける。茎が横に這い、その先に花をつけるが、白花は東日本に多く、赤花は西日本に多いという。名前は下痢などに対する薬効(証拠)がすぐにあらわれるということからつけられたようだ。


 茎が直立せず、あまり大きくないので、他の野草に埋もれてあまり目立たないが、花が意外とよく目立つ。

S2c3a3812
 私の周辺では赤花と白花が見られる。しかし、赤花と白花が混在しているのを見たことはなく、どちらかといえば、白花の方をよく見かける。

S2c3a3529
S2c3a3521
S2c3a4037
S2c3a4076
 さらに、雄しべ、雌しべを拡大してみた。下の赤花では雄しべの葯から花粉があふれ出しているが、雌しべ柱頭は出てきたばかりのようだ。

S3818
 下の白花の拡大では、雄しべの花粉が放出されてなくなり、雌しべ柱頭に花粉がついている。雌雄の成熟時期が異なるのは自家受粉を避けるためでもあるので、雌しべ柱頭についている花粉は他花のものかなと思う。

S4076












2015年9月 6日 (日)

花にも秋の気配 (5)ツリガネニンジン

 秋の気配と言うよりも、あっという間に季節は秋になってしまった感がある。もう少し秋の気配を感じつつ、本格的な秋を迎えることができるかなと思っていたが、とにかく過ごしやすくなるのはありがたいことだし、何よりも秋の花がどんどん咲きはじめるのは楽しみだ。


ツリガネニンジン (キキョウ科ツリガネニンジン属)

 各地の陽当たりのよい草地や堤防などで普通に見られる。釣鐘状の花は数段に分かれて輪生し、下向きに咲く。

S2c3a4073
 まわりに生えるススキが秋らしさをさらに演出している。

S2c3a3543
S2c3a3712
 雨のしずくが残る花姿も秋の気配を感じさせてくれる。

S2c3a3715
 花は普通下向きに咲くが、どういうわけか上向きに咲いている花があった。雄しべの葯から花粉が出て、雌しべの先にもついているのがよくわかる。

3713

2015年9月 1日 (火)

花にも秋の気配 (4)ヒメキンミズヒキ

 他の時期にはほとんど気づかないが、秋が近づくと黄色の小さな花をつけるヒメキンミズヒキの存在に気づく。日陰でややひんやりとする、湿り気のあるところでその姿を見かけると、今年の夏ももう終わりだなと思う。


ヒメキンミズヒキ (バラ科キンミズヒキ属)

 キンミズヒキより全体に小ぶりで、山地の谷沿いや少し湿った林内などに生える。花弁は細く、5弁花をまばらにつける。雄しべは5~8本。


 高さは高くて40~50cm。花のつきかたもまばら。

S2c3a3658
S2c3a3779
S2c3a3688
 下の写真でヒメキンミズヒキの後方に写る赤い花穂はミズヒキ。

S2c3a3674
 花を拡大してみると、5枚の花弁と5本の雄しべがよく目立つ。

S2c3a3474
S2c3a3483








« 2015年8月 | トップページ | 2015年10月 »